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ISO認証機関のインターテックから厳選されたお役立ち情報をお届けします
2018.1.30発行(第9号)
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いつも大変お世話になっております。
ISO審査を通して、みなさまの事業発展のお役に立ちたいインターテックより、
ISOの運用効果パワーアップに繋がる以下の情報をお届けします。
●東京オリンピック・パラリンピックの選手村で日本の食材が使われない?
- 日本の食のアピールと農業の国際認証(GAP)の関係について
本メールマガジンにてご紹介している事例や考え方等は、
あくまでも一般的な考え方や事例の1つとしてご紹介しているものであり、
審査での適合性の保証や同様の取組みの導入を推奨、強制するものではありません。
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東京オリンピック・パラリンピックの選手村で日本の食材が使われない?
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平昌オリンピックの開催間近となり、「金メダル候補の予想!」など注目が集まっています。
そんなオリンピック競技を裏側で支えるのが食事です。
パラリンピックに3度出場した射撃の田口亜希さんは、
「選手にとって、大会中の唯一の楽しみは食事。
ロンドン大会ではローストビーフ、北京大会では北京ダックに長蛇の列だった」
と食事への選手の関心の高さを語ります。
出典/参考:朝日新聞デジタル
2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、
日本の食をアピールする大きなチャンスのハズですが、そう簡単ではありません。
「五輪期間中は、1500万食を提供しなければいけない。
そのうちどれだけ国産のものを出せるかが、これから3年間の勝負。
その中で一番大事なのが、国際認証をとっているかどうか。
今年(2017年)から国際認証の取得に向けて取り組まないと、
2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックの開催時に提供する食材に間に合わない」
と強調するのは、国際認証の獲得に向けて後押しをする小泉進次郎議員。
東京オリンピック・パラリンピック開催時に提供される食には調達基準(*注)があります。
出典/参考:東京オリンピック・パラリンピック組織委員会
その調達基準として求められている「GAP認証」が今注目されています。
「GAP」とは「良い農業のやり方」を意味する英語の頭文字
(Good Agricultural Practice)をとったもの。
出典/参考:日本GAP協会
GAP認証には、「JGAP」、「ASIAGAP」、「GLOBALG.A.P.」という3つの認証があり、
それぞれ取得した食品にマークをつけることができます。
「ASIAGAP」、「GLOBALG.A.P.」の認証を取得すると、
東京オリンピック・パラリンピックでの食材採用のスタートラインに立つことができます。
(*注)東京オリンピック・パラリンピックの食の調達基準を
満たしていることを証明できる認証:全てのGAP認証ではなく、
「ASIAGAP」、「GLOBALG.A.P.」などが対象であると、現在確認されています。
証明できる認証については、今後、状況が変わる可能性がありますので、
実際に取得を検討される場合は、事前に状況をご確認ください。
弊社にてもご相談を受け付けております。
現在、日本の農家のうちの「GAP認証」を取得している農家は、
1%にも達してしておらず、決して多いとは言えない状況です。
このままでは、東京オリンピック・パラリンピックの選手村では、
日本の食材がほとんど使えないことになりかねません。
インターテックは、「JGAP」のナンバーワン認証機関として業界をリードしてきました。
「JGAP」の発足にも深いかかわりがある弊社代表取締役の坂井は、
普及の難しさについて「農家の方々もいいものを作っているという自負があり、
GAPなど必要ない」といった意識があったことを明かします。
日本発のカイゼンがISO9001の普及の壁になった状況と似ています。
しかし、総務省で一般消費者にアンケートを実施したところ、
“農薬は何を使用しているか、どのような生産体制をとっているか”
などに消費者の関心が集まっていると明確になったことが、
普及の後押しになったと言います。
また、認証を取得することは“安全性の保証”になる為、
生産者の中にはこれを武器に取引を拡大しようという動きもあります。
福島市の観光農園「まるせい果樹園」は、 2011年の東京電力の原発事故の風評被害などで、
売り上げは事故前の5分の1にまで激減し、試行錯誤の末に「GAP認証」にたどり着きました。
「自分で『大丈夫です。安全』とお客さんに言っても、
なかなかお客さんは納得していただけないだろうということで、
(GAP)認証をいただく努力をして、今に至る。 GAP認証をいただいていることから、
皆さまに『なるほど、それなら安心だね』というきっかけになっている」
「まるせい果樹園」代表取締役の佐藤氏は、
「GAP認証」取得の効果をこのように感じています。
「認証」取得をきっかけに、これまで取引のなかった大手スーパーとの取引が始まるなど、
経営は震災前の水準に戻りつつあるそうです。
弊社は、「まるせい果樹園」様の「JGAP」、「GLOBALG.A.P.」の
認証取得をお手伝いさせていただきましたが、
こういったお声をいただけると、大変嬉しいです。
出典/参考:日テレNEWS24
「GAP認証」を取るには「食品の安全性」への配慮はもちろんのこと、
「環境保全」への配慮や「労働者の安全」など約120項目の基準を満たすことが必要になり、
簡単な道のりではありませんが、認証を上手に活用し、
“売上アップ”や“新しい担い手育成”に役立てることで、
小泉進次郎議員が主張する「安全にかかわる農産物の国際認証(GAP)を取得することが、
日本の農産物のブランド化につながり、農産物の輸出拡大にもつながる」
といった“本質的な競争力強化”に繋がります。
今回は、「農業の国際認証(GAP)」のご紹介でした。
尚、『週刊ホテルレストラン』では、料理研究家で料理学校「服部学園」の
理事長服部幸應氏と弊社代表取締役の坂井喜好の対談にて、「GAP認証」をはじめとした
東京オリンピック・パラリンピックでの“食の問題”について掘り下げた話をご覧いただけます。
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発行:インターテック・サーティフィケーション株式会社