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ISO審査機関のインターテックから厳選された
お役立ち情報をお届けします

2018.2.20発行(第11号)

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いつも大変お世話になっております。
ISO審査を通して、みなさまの事業発展のお役に立ちたい
インターテックより、ISOの運用効果パワーアップに繋がる以下の情報をお届けします。

●ISO14001
 -自社の製品・サービスの環境負荷を考え新たな対応につなげる

 

本メールマガジンにてご紹介している事例や考え方等は、
あくまでも一般的な考え方や事例の1つとしてご紹介しているものであり、
審査での適合性の保証や同様の取組みの導入を推奨、強制するものではありません。

 

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環境負荷への対応策がビジネスに?!

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寒い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?

1月下旬には“寒波による影響で、日本海側の一部では水道管が破損、断水”
といったニュースも飛び込んできました。
被害に合われた皆さまには、心よりお見舞い申しあげます。

 

改めて、“水”という資源の大切さを痛感しています。
日本は四方を海に囲まれる島国で、国土の大半を森林が占め、数々の美しい河川が流れていています。
大きな湖もたくさんあり、日本は水を完全に自給自足していると考えがちです。

 

しかし、実は、莫大な量の水を輸入しているとも言われています。

「バーチャルウォーター」という考え方(*注)をご存じでしょうか?
例えば、ある日の夕食であなたが食べた200グラムのビーフステーキを思い出してください。

肉牛1頭が育つまでに必要な飼料、そしてその飼料の栽培に必要な灌漑用水まで考えてみると、
200グラムのビーフステーキには、一日に3200リットルもの水が使われています。

日本の食料自給率は100%ではありませんので、
大量の食料を輸入することで、実質的に水資源を海外に頼っている状況なのです。

(*注)食料の輸入は「形を変えた水の輸入」と考える「バーチャルウォーター」という概念は、
ロンドン大学の名誉教授、アンソニー・アラン氏が紹介したもので、示唆に富んでいます。

 

しかし、この資源の貧しいと言われる日本において、なんと自給率100%の資源があるのです。

その資源を使って作られた“ある素材”を使うことで貴重な“水資源”を節約でき、
持続可能な開発目標(SDGs)の目標6.(*注)の達成にも非常に有効だと注目されています。

(*注)SDGsの目標 6. :
  すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
  SDGs に関しては2018年1月23日配信のメールマガジンでご紹介しています。

>>>ISO14001と「ESG投資」の関係について 2018年1月23日配信(第8号)<<<

 

今回はこの“ある素材”を題材にして、「環境負荷への対応策がビジネスに?!」をご紹介します。

取り上げさせていただくのは、“水”に関する環境負荷への対応策として“ある素材”を開発し、
新ビジネスへ展開している株式会社TBMの実例です。

「ISO14001の目標設定に限界が来ている!」
「ISOは手間ばかり増えるけどメリットはあるの?」

同社のケースは、こうしたお悩みをお持ちの企業様にとってもお悩み解消のヒントになるかと思います。

 

同社が販売する新素材「LIMEX(ライメックス)」は、
日本において自給率100%の資源である石灰石を主原料にした紙やプラスチックの代替材料です。

生産工程で“水”や“紙パルプ”の消費量が少なく紙に比べて、水の消費量は50分の1以下、
プラスチック代替品としては、石油由来成分を6割減らせるそうです。

生産過程で生じる環境負荷を減らそうと考えいろいろと工夫を重ねた結果、
この新素材が誕生したそうです。

同社ではこの環境にやさしい新素材を大々的に売り出し新たなビジネスへつなげているのです。

まさに「環境負荷への対応策がビジネス」につながっている実例です。

 

以前のメールマガジン(*注)でも、環境に優しい取り組み事例として、

・セブンイレブンの駐車場をステーションとした
 「自転車シェアリング」の取り組み。
 「エコ」で環境に優しい、「便利」で顧客は嬉しい、
 「ついで買い」も期待できて事業者にもメリットがある取り組み。

・ホームファッションストアIKEAでは、
 「空気を抜いて、製品を詰めろ」と、輸送しやすさを設計段階から考え、
 事業全体での効率性を追求すると同時に、環境負荷の低い材料を調達する
 グリーン調達を実施し、効率化と環境保護を両立させる姿勢は
 顧客に支持されている。

などをご紹介してきました。
(*注)2018年1月9日配信メールマガジン

>>>セブンイレブン、IKEAの改善活動とは? 2018年1月9日配信(第6号)<<<

 

これらの事例に共通している点は、自分たちの取り組みだけでなく、
顧客など利害関係者を広く巻き込むことで、環境負荷低減の効果を大きくしている点です。

環境目標の設定に行き詰まった場合、自分たちだけでなく自社の製品・サービスの環境負荷を
ライフサイクルの視点で考えていただくことで、新たな発想が出てくるケースがあります。
それが結果として、新しいビジネスにつながることもあるのです。

2015年版では、「組織の事業プロセスへのEMS要求事項の統合」が求められています。
本来業務におけるEMSの活用事例として「環境負荷への対応策がビジネス」になった
上記の実例をご参考にしていただければと思います。

出典/参考:TOPPAN / 東洋経済online / oricon news

 

 

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