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ISO認証機関のインターテックから厳選されたお役立ち情報をお届けします
2018.2.28発行(第12号)
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いつも大変お世話になっております。
ISO審査を通して、みなさまの事業発展のお役に立ちたい
インターテックより、ISOの運用効果パワーアップに繋がる以下の情報をお届けします。
●ISO運用に役立つ事例紹介
-7原則の一つ『顧客重視』に関連する考え方、事例(スターバックス)のご紹介
本メールマガジンにてご紹介している事例や考え方等は、
あくまでも一般的な考え方や事例の1つとしてご紹介しているものであり、
審査での適合性の保証や同様の取組みの導入を推奨、強制するものではありません。
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これだけは知っておきたい「顧客重視の基本」―顧客ニーズの捉え方
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ISO9001:2015では大きく7つの考え方(*注)があります。
(*注)ISO9001:2015の7つの考え方:
1. 顧客重視
2. リーダーシップ
3. 人々の積極的参加
4. プロセスアプローチ
5. 改善
6. 客観的な事実に基づく意思決定
7. 関係性管理
この7つの考え方が細かい条文に落とし込まれていますので、
7つの原則の理解が皆さまのISOの運用にお役に立つと考え、
原則をうまく活用されている一般的な事例を、
本メールマガジン上で、いくつかご紹介してきました。
今回は『顧客重視』の活用事例をクイズ形式で、一緒に考えてみたいと思います。
品質マネジメントの主眼は、
「顧客の要求事項を満たすこと及び顧客の期待を超える努力をすること」にあります。
顧客の要求事項をマーケティング用語で「顧客ニーズ」とも言います。
この「顧客のニーズ」は、時代とともに変化していく為、
常に顧客重視の姿勢を持ち、改善を続けていかなければ顧客に選ばれなくなってしまう
という難しさが悩ましい点だと思います。
少し、マーケティングの世界からこの「顧客ニーズ」を探ってみましょう。
マーケティングの大家、セオドア・レビットは、以下のような格言を言っています。
顧客は“ドリル”が欲しいのではなく、
“ドリルで開けた穴が欲しい”のである。
顧客は、ドリルの“スペックや見た目”よりも、ドリルによって家の壁に穴を開け、
その穴を使って、壁に時計やお気に入りの絵画をかけて、くつろげる空間が手に入るといった
“ドリルを使って得られる結果”を求めているという点に企業は気づくべきだという主張をしています。
ところで、“G-Dロジック”と“S-Dロジック”という考え方をご存じでしょうか?
“G-Dロジック”とは、Goods-Dominant Logicの略ですが、
顧客に提供されるものは、製造されたもの/サービスという「モノ」であると考えます。
しかし、「モノ」が充足してきた現代では、全ての企業活動は、
「サービスであるべきだ」という考え方です。
ここでいうサービスは、従来のサービス業が提供するサービスという意味ではありません。
顧客に提供されるものは、すべて「サービス」であり、
「従来のモノ」は構成要素のひとつと考える
Service-Dominant Logic (S-Dロジック)という考え方が生まれてきました。
その代表例が、「スターバックス」です。
早速、クイズです。
【クイズ】スターバックスが顧客に提供するものは、何でしょうか?
・・・・
【解答】美味しいコーヒーでしょうか?
美味しいコーヒーであることは、重要ですが、
それ以上に大切なのは「顧客に安らげる場所を提供する」こと。
職場でもなく家庭でもない「第三の場所」を提供する
というのが、スターバックスのコンセプトなのです。
このコンセプトを支える戦略として、
●居心地の良い店舗設計
└座り心地の良い大きめのソファ、ゆったりと感じられる座席レイアウト等
●店舗の立地
└ビジネスマンがターゲットなので一等地に出店
●必要以上の店舗数
└店舗自体を広告・PRツールとして利用
●直営店のみというこだわり
└第三の場所というコンセプトを実現し、維持するためには、
サービスの様々な側面で細かいコントロールが必要なので、直営方式
などがあります。
S-Dロジックの「モノ (美味しいコーヒー)」は、
構成要素の一つという考え方が理解しやすい事例です。
では、この考え方をより深く理解する為のクイズです。
【クイズ】花粉や梅雨、PM問題などで近年、成長が続くコインランドリー市場。
あるコインランドリー店はスターバックスの様に顧客にとっての便益を考え、
従来とは少し異なるコンセプトの店舗作りをして、話題となっています。
どのようなコンセプトのお店なのでしょうか?
解答は、メールマガジンの最後でご紹介しております。
今回は、7原則の一つ『顧客重視』に関連する考え方、事例のご紹介でした。
出典/参考:
matome.naver.jp/odai/2138579876601865101
nc-nomura.com/cafe
100万社のマーケティングvol.6 宣伝会議
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クイズ 解答例
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日常のお洗濯を「しなければならないもの」から「したくなるもの」へという
コンセプトで、オシャレで居心地の良い空間で「家事=洗濯」をしながら、
併設されたオシャレなカフェでパンケーキを味わうことができるという
コインランドリー店が人気を集めています。
現代女性の「井戸端会議」が出来る美味しい場所として
カフェ併設のコインランドリーは増えているようです。
これが正しいという決まった答えはありませんし、
顧客に受け入れられるアイディアであれば、どれも正解です。
大切なことは、顧客の立場に立って考えること。
「顧客重視」という考え方で自社の商品・サービスを見直してみると
新しい発見・気づきがきっとあると思います。
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発行:インターテック・サーティフィケーション株式会社