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ISO認証機関のインターテックから厳選されたお役立ち情報をお届けします
2018.3.9発行(第13号)
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いつも大変お世話になっております。
ISO審査を通して、みなさまの事業発展のお役に立ちたいインターテックより、
ISOの運用効果パワーアップに繋がる以下の情報をお届けします。
●OHSMSに関する国際規格・ISO45001発行へ
- 労働災害を減らし働きやすい職場環境を実現!
本メールマガジンにてご紹介している事例や考え方等は、
あくまでも一般的な考え方や事例の1つとしてご紹介しているものであり、
審査での適合性の保証や同様の取組みの導入を推奨、強制するものではありません。
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ISO45001発行
- 労働災害を減らし働きやすい職場環境を実現!
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労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)に関する国際規格・ISO45001が、
いよいよ今月12日(ISO事務局発表)に発行されます。
この規格の大きなねらいは、世界中で発生している労働災害を減らし、
組織に従事している方々にとって健康で働きやすい職場環境を維持することです。
労働災害についての現況を表す数字としては、全世界の死亡者数は年間230万人に達しているそうです。
日本国内の数字としては、2017年のデータでは、死亡災害が928人、
休業4日以上の死傷災害については117,910人となっています。
その労働災害ですが、企業の現場において、
災害や事故等でケガや病気をこうむる従業員が出てくる事態になると、
企業活動の上でさまざまな影響が出てくることが想定できます。
まず、働く従業員の立場からすると、
「ケガや病気による痛み」といった身体への直接的なダメージに加え、
「失業不安」や「家族のストレス」といった心理的な負担、
場合によっては「収入の減少」から「生活レベルの低下」につながるおそれもあるでしょう。
一方、経営面からは、「製品・サービスの生産性の低下」や「品質の低下」が想定できます。
内容によっては「企業イメージの低下」から「製品・サービスの売上の減少」につながり、
あわせて「対策コストの増加」も必要になり、「利益の減少」等に至るケースもありえるでしょう。
さらに、現実に大きな労働災害を起こした場合、
管轄官庁からは製品・サービスの提供活動について一時的な停止命令が出され、
経営者の責任が法的に問われるケースもありえます。
こうした事態に至った場合、マスコミ報道等を通して、社会的な批判や制裁を受け、
企業としての社会的責任(CSR)を問われる場面も出てくるはずです。
このように、労働災害は、従業員の生命や健康にダメージを与え、
製品・サービスの生産性や品質の低下につながり、収益悪化にまで至ることがあり、
企業経営の観点からも非常に大きなリスク要因として捉えることができるのです。
ここまで紹介したように労働災害は、
経済活動において大きな影響を及ぼすおそれがあり、また労働者保護の観点も含めて、
世界各国において国が法規制で雇用者の責任を定めているケースが少なくなく、
日本では労働安全衛生法が該当します。
もちろん企業を含めた産業界全体では、法規制対応だけでなく、労働災害を防ぐために
多大なコストをかけてソフト・ハードの両面でさまざまな対策をとってきており、
その結果として、発生件数の多寡は見方が分かれるところですが、
冒頭で紹介したような数字に至っています。
今回のISO45001の登場については、こうした今の状況に対して
何かしら良いインパクトを与えることが期待されているのは間違いないでしょう。
ではISO45001はどのような規格なのでしょうか?
まず“労働安全衛生マネジメントシステム”という名称から、工場や建設会社といった
従来型の労働災害が想定される業種だけが対象だと捉えられがちですが、
オフィスなどあらゆる職場において適用できる規格です。
例えば、ホワイトカラーの事務職が中心の組織でも認証取得は可能です。
もちろん他のISOマネジメントシステム規格と同様に、組織規模は問いませんし、
非営利団体等を含めあらゆる組織で取得することができます。
また、“労働安全衛生”という名称が示す通り、災害だけを対象にしたものではありません。
ISO45001は、働く上で精神的な面でも健康が保たれるよう、
良好な職場環境を維持するための内容を含んでいます。
いわば働きやすい職場の実現に向けた規格でもあるのです。
実際にISO45001の認証を取得するにあたっては、
規格の要求事項に適合する労働安全衛生マネジメントシステムを構築・運用することになります。
この仕組みを通して、他のISOマネジメントシステムと同様に、
PDCAサイクルを回すことで継続的な改善を図り、
労働安全衛生の取り組みレベルの向上につなげていきます。
また、ISO45001の規格の章立ては、
ISO規格を作成するためのルールである附属書SLで規定されている構成に沿っており、
ISO9001の品質マネジメントシステムやISO14001の環境マネジメントシステムとの親和性も高く、
統合システムが作りやすくなっています。
なお、従来からあったOHSAS18001はISO45001発行後、廃止となります。
OHSAS18001の認証を取得している組織のISO45001への移行期間は3年間です。
インターテックでも現在ISO45001の審査サービスに関する準備を進めており、
サービス提供の体制が整い次第、ウェブサイトや本メルマガなどでご報告させていただきます。
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発行:インターテック・サーティフィケーション株式会社