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ISO認証機関のインターテックから厳選されたお役立ち情報をお届けします
2018.4.10発行(第16号)
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いつも大変お世話になっております。
ISO審査を通して、みなさまの事業発展のお役に立ちたいインターテックより、
ISOの運用効果パワーアップに繋がる以下の情報をお届けします。
●新入社員教育にもお役立ていただきたい
- 5Sの重要性・有用性・活用事例のご紹介
本メールマガジンにてご紹介している事例や考え方等は、
あくまでも一般的な考え方や事例の1つとしてご紹介しているものであり、
審査での適合性の保証や同様の取組みの導入を推奨、強制するものではありません。
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5Sの重要性・有用性・活用事例
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新しい仲間が加わる時期を迎えました。
今回は、新入社員への研修等でもとりあげられることがある“5S”について紹介します。
「すべてのビジネス・商売の基本は5S」と言われることがあります。
ある調査で「社長が選ぶベスト社長」ランキング1位に輝いた日本電産・永守重信氏も、こう言っています。
「儲かっていない会社にはいくつか共通点があるのです。
一つは社員の士気が落ちています。会社の士気が落ちていると当然工場は汚いですよ。
事務所も汚い。電話の応対がいいかげん。マナーがなっていない。つまり6S(*注)ができていないのです」
(*注)6S:整理、整頓、清掃、清潔、躾の5Sに加え、作法を加えた頭文字6つをとって6Sという。
5Sに対する印象としては、肯定的なものが多い一方で、
取り組むとなると「めんどうくさい」「業務優先」の姿勢となり、
「苦手意識」や「やらされ感」が出てしまうという声もあると聞くことも少なくありません。
そこで、改めて、5Sの重要性、有用性、活用事例についてご紹介します。
●5Sの定義
5Sとは何でしょうか?
【整理】 「必要なもの」と「必要でないもの」とを分けて必要でないものを捨てること
【整頓】 「必要なもの」だけ置き場所を決めて表示すること
【清掃】 身の回りのものや職場の中をきれいに掃除すること
【清潔】 3S(整理・整頓・清掃)の状態を維持(標準化)すること
【躾】 決めたことを必ず守るように徹底すること
日常的にも「整理整頓」といいますが、5Sでは、必要ではないものを捨てることを【整理】といい、
必要なものの置き場を表示することを【整頓】と考えます。
●5Sの重要性・活用事例(豊田自動織機社) -【整理】【整頓】
【整理】【整頓】のメリットは、
<探す時間のムダ>を省ける為、生産性を高められることです。
また、【整理】【整頓】が出来ると、工具・道具・文具・資料などを、
シェア・共有することも出来ますので、<コストダウン>にも繋がります。
特に、シェア・共有化を成功させる為には、“3定”が欠かせません。
〈定位〉 どこに (置く場所)
〈定品〉 何を (置く品物)
〈定量〉 どれだけ (置く量)
トヨタ自動車の生みの親といわれる豊田自動織機では、工場でも、オフィスのデスクでも、
データを置く社内ネットワーク上でも、この “3定”を徹底しています。
例えば、工場では、
仕掛品が多過ぎたり、生産や出荷の遅れなどの異常があれば、
置き場所の最大数量・容量を超える事態になり容易に分かります。
ルールが守られていないという異常を、見える化することで、
<業務負荷の平準化>や<仕事の仕方・プロセスの改善>に繋げています。
●5Sの重要性・活用事例(オリエンタルランド社) -【清掃】【清潔】
【清潔】の意味は、清潔な身なり、清潔な人柄等と理解されることが多いでしょう。
ですが5Sでの考え方は、【清潔】は「標準化」であり、
「3S(整理・整頓・清掃)の状態を維持すること」です。
では【清掃】【清潔】のメリットは何でしょうか?
考えるにあたっては、【清掃】【清潔】ではない場合のデメリットに着目するとよいでしょう。
環境犯罪学上の理論である「割れ窓理論(ブロークンウインドウ理論)」をご存じでしょうか?
“建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、
やがて他の窓もまもなく全て壊される-という考え” のことを言います。
割れた窓を見た人が、「この場所は防犯に配慮していない」と感じ、
犯罪を起こしても大丈夫ではないかと考えることから、
犯罪の発生件数も“増える”とも言われます。
この心理を逆手に取り上手に活用しているのが、オリエンタルランド社です。
同社が運営するディズニーランドやディズニーシーでは、パーク内のささいな傷をおろそかにせず、
ペンキの塗りなおしや破損箇所の修繕を、見つけ次第頻繁に行うことで、従業員だけでなく、
お客様にもマナーを向上してもらうことに成功しています。
【清掃】【清潔】は、人間の意識面にも大きく作用しますし、
当然、<労働災害のリスク低減>にも効果を発揮するのです。
●5Sの重要性・活用事例(アップル社) -【躾】
かのスティーブ・ジョブズがアップルに戻る前の社内は、遅刻が常態化し、
ペットを持ち込み、犬と遊んでいる社員までいました。
ジョブズはそのルーズな社風を一新する“意識改革”から着手し、アップルを復活に導きました。
社員の意識が企業にとってどのような影響をもたらすのか、その一例と考えることができるでしょう。
弊社代表取締役の坂井も、「感度調整」という言葉で、意識の重要性を説いています。
業務が形骸化する原因の多くは、ルールを破っても良いという意識から起こるのです。
ここまで【整理】【整頓】【清掃】【清潔】【躾】についてご紹介させていただきました。
いかがでしょうか?
海外では、工場の従業員は、学校できちんと学ぶことができずに就業している場合もあり、
入社時にしっかりと5S教育をやるケースがあると聞きます。
5Sリーダー等を設置し、まずは、3Sから取り組み、小さな成功体験を積み重ねながら4S、5Sへと、
徐々にレベルを上げていくといったやり方をされている組織もあるようです。
日本では、当たり前と思われる5Sですが、あらためて着目してみると
できていない項目があるかもしれません。新人教育を行うこの時期にあわせて、
5Sについてあらためて社内全体で周知してみるのはいかがでしょうか?
今回のご紹介が何か一つでも、みなさまのご参考になれば、幸いです。
参考:日経ビジネスオンライン
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