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ISO認証機関のインターテックから厳選されたお役立ち情報をお届けします
2018.5.10発行(第19号)
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4月27日付けメールマガジン18号にてアンケートのお願いをさせていただきました。
ご回答いただきました皆様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
貴重なご意見を賜り誠にありがとうございました。
アンケートへのご回答は、【5月18日(金)】まで受け付けております。
●アンケートはコチラ(終了)
いつも大変お世話になっております。
今号では、以下の情報をお届けします。
■お客様からいただいたお声
-「通常業務の中にISO活動をうまく取り入れていく方法」のご紹介
本メールマガジンにてご紹介している事例や考え方等は、
あくまでも一般的な考え方や事例の1つとしてご紹介しているものであり、
審査での適合性の保証や同様の取組みの導入を推奨、強制するものではありません。
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通常業務の中にISOをうまく取り入れていく方法のご紹介
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メールマガジンの読者様から「通常業務の中にISOをうまく取り入れていく方法」を
紹介して欲しいというご意見をいただきました。
そこで今号では、通常業務とISOが乖離せず、うまく連動させるための内容をご紹介します。
●「ISO独自の目標設定が必要?」という誤解はございませんか?
ISOご担当者の方の中には、「今年はどういった目標設定にしたらよいのか・・・」と、
悩まれるケースもあるのではないでしょうか。
実は、既に社内で設定している目標を、ISOの目標としてそのままご利用いただけるのです。
毎年、マネジメント層は、会社としての経営戦略を立てています。
この経営戦略の中には、必ず顧客の要求に対応するための会社としての
取り組みの目標(経営目標)が織り込まれているはずです。
例えば、「納期を早くする」「新しい商品を開発する」「クレーム率を減らす」等々です。
これらは全て顧客の見える/見えざる要求への会社としての対応であり、
即ち、ISOの品質目標としても利用できるものです。
品質目標というと、製品の不良等、
モノの品質といった限定されたイメージを持ってしまうかもしれませんが、
ISOでいう品質とは、組織が提供するあらゆる商品・サービスについての品質を意味しています。
ですから会社における経営目標と同じ位置づけができるのです。
次に、ISO9001では「第4章 組織の状況」において、
「組織は組織の置かれた状況を把握し、外部・内部の利害関係者のニーズと期待を理解する」
ことを求めています。
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4.1 組織及びその状況の理解
組織は、組織の目的及び戦略的な方向性に関連し、かつ、
その品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する組織の能力に影響を与える、
外部及び内部の課題を明確にしなければならない。
組織は、これらの外部及び内部の課題に関する情報を監視し、レビューしなければならない。
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ISO9001が第4章と5章で求めているのは、ISO独自の取り組みではなく、
マネジメント層が通常、行っている経営戦略立案の取り組みを意味しています。
マネジメント層が決定した経営戦略は品質方針であり、経営戦略に基いて決めた経営目標は
同時にISOの品質目標と見なすことができます。
ですから、冒頭の様に「今年はどういった目標設定にしたらよいのか・・・」と悩むことなく、
経営戦略・経営目標を参考に、ISOの品質方針・品質目標を決めていくこともできるのです。
●「第4章 組織の状況」の理解に有効なSWOT分析のご紹介
「第4章 組織の状況」に関連して、マネジメント層が、
経営戦略を決定する際によく利用されることがある「SWOT分析」をご紹介します。
この呼び名は、以下の頭文字をとっています。
強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)
まず、自社を取り巻く環境(経済・景気、社会動向、法規制、技術動向、政治動向、
業界環境の変化や顧客ニーズ等々、自分達の力では変えられない外部環境)を分析して、
機会(O)と脅威(T)を導き出します。それらに対する自社の現状(強み(S)と弱み(W))
を分析しながら、自社のビジネス機会やリスクを発見します。
その上でリスクを最小限に留めて、ビジネス機会を最大化するための経営戦略を立て、
計画に落とし込みます。
この一連のプロセスがSWOT分析ですが、内容はISO9001の「第4章 組織の状況」にもまさに重なっています。
自社の状況を理解し、変化を捉え、その変化に対応することこそが、時代が変わっても生き残ることにつながる為、
このツールの活用はあらゆる会社にとって非常に効果的なことは言うまでもありません。
続いて、SWOT分析のやり方についてご紹介します。
●SWOT分析のやり方
step1:外部環境の分析から始める
SWOT分析では、機会(O)と脅威(T)の外部環境分析から始めます。
以下の質問を想定してみましょう。
・市場や自社をとりまく環境に変化はあるか?
・もし変化があれば、それはどのようなものか?
・その変化に対して他社はどのように追従しているのか、
もしくは追従していけるのか?
これらの質問は全て外部環境の分析に関する問いです。
step2:内部環境の分析
外部環境分析の結果が明らかになったら次に自社に与える影響は?
という問いの答えを出します。
内部環境の分析では、競合の変化の対応に対する自社の強み(S)と弱み(W)を 洗い出します。
自社の強み・弱みは、競合企業との相対評価として客観的に分析します。
「現在、○☓に取り組んでいるから、強み」のように安易に主観的な分析は避けるようにしましょう。
必ずファクト(事実・データ)を持ってして、強み・弱みと分類するようにしてください。
ちなみにこのファクトこそ、ISOがデータの保存などを要求する目的でもあり、
ISO導入のメリットの一つとも言えます。
SWOT分析は、事業の機会に関係する外部環境から内部環境に至るまで、幅広い範囲を分析します。
全てをくまなくやろうすると多くの時間を要します。こうなると、分析だけで終わってしまう危険性が出てきます。
そこで、分析の次のアクションまで展開できるよう、仮説を立てます。
ここでの仮説とは、その時点で考えられる仮の結論です。
例えば、「女性向けの○○サービスを提供する」など
組織がPDCAサイクルを回して蓄積した見識などに基づき仮説を立てます。
仮説はひとつに絞り込む必要はありません。
これまでの常識を疑ってみて、新たな仮説を導き出すことも時には必要です。
●SWOT分析のポイント
SWOT分析のコツはたったひとつ。「変化」に着目することです。
SWOT分析に基づき情報収集ができた場合、更にクロスSWOT分析を行い事業の成功要因を探ります。
クロスSWOT分析では、ここまで収集してきた情報を元に、それぞれを掛けあわせて
4つの問いに答えていきます。
強み x 機会 強みを活かして機会を勝ち取るための方策は?
強み x 脅威 強みを活かして脅威を機会に変える差別化とは?
弱み x 機会 弱みを補強して機会をつかむための施策とは?
弱み x 脅威 弱みから最悪のシナリオを避けるためには?
クロスSWOT分析では、強み x 機会が最も重要視されます。
自社の強みを活かして機会を勝ち取り、市場のシェアを拡大することはビジネスでも
最優先される戦略です。SWOT分析はISOと重なる点が非常に多いことが
ご理解いただけましたでしょうか。
ここまでご紹介したように、経営戦略に基いた経営目標を実行するための通常業務は、
ISOの活動と一致します。その為、通常通り業務を実施いただくことが、
ISO9001を取り入れていることになるのです。
もちろん、ご紹介した内容と現実とでは違う点もでてくることもあるかと思います。
ご不明な点などございましたら、ご遠慮なく「疑問・お悩みご相談受付窓口」にお問合せください。
皆様の事業の発展にISOが貢献できますよう、これからも尽力して参ります。
なお、今回は「通常業務の中にISO活動をうまく取り入れていく方法」に関連し、
あくまで分析ツールの一例としてSWOT分析をご紹介させていただきました。
ISOマネジメントシステム構築・運用においてご推奨しているわけではございません。
予めご了承願います。
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