================================================================
ISO認証機関のインターテックから厳選されたお役立ち情報をお届けします
2018.6.8発行(第22号)
================================================================
いつも大変お世話になっております。
今号では、以下の情報をお届けします。
■お客様からのお声に対する回答
-「BtoB企業における顧客満足度を調べる方法の事例紹介」、
顧客満足度をはじめとする活動の効果測定の指標(KPI等)に関する基礎知識のご紹介
本メールマガジンにてご紹介している事例や考え方等は、
あくまでも一般的な考え方や事例の1つとしてご紹介しているものであり、
審査での適合性の保証や同様の取組みの導入を推奨、強制するものではありません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
テーマについて
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お客様から「部品メーカーの立場で”顧客満足度を調査する方法”を教えて」というお声をいただきました。
そこで、ISO9001 第9章(パフォーマンス評価)に関連し、
皆様が気になると思われる事項について、概観してみたいと思います。
顧客満足度をはじめとする活動の効果測定の指標(KPI等)に関する基礎知識として、
・顧客満足等の効果測定を行う有用性
・BtoB企業における顧客満足度を調べる方法の事例紹介
・顧客満足以外の効果測定の指標の例
・効果測定における効果を高めるコツ
などをご紹介致します。
既にご存じのこともおありかと思いますが、今後の社員教育などにお使いいただけたら幸いです。
尚、本メールマガジンにてご紹介している事例や考え方等は、
あくまでも一般的な考え方や事例の1つとしてご紹介しているものであり、
審査での適合性の保証や同様の取り組みの導入を推奨、強制するものではありません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効果測定を行う有用性
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ISOマネジメントシステム規格は、PDCAサイクルの流れで規格が作られています。
PLAN 第6章
DO 第7章、第8章
CHECK 第9章
ACTION 第10章
第9章では、ISO活動の有効性を確認することを求めています。
この「有効性を確認する」ための具体な指標は定められてはいませんので、
組織毎に妥当な結果であると判断できれば良いとしています。
実務的には、組織毎に様々な有効性を確認する指標を用いているようです。
指標があると、どんなメリットがあるのでしょうか?
健康管理に例えてみますと、体重やBMI値などの指標があることによって
健康管理がうまくいっているのかが、客観的に誰にでも分かるようになります。
効果測定の指標があることによって、
一般的には以下の様な効果を得ることがあると言われています。
・目標に対する進捗度の見える化
・取組みの有効性の評価、判定
・問題点やボトルネックの洗い出し
・組織、職場、チーム内での評価基準の共有
・使命感やチームワークの向上
・業務担当者やチームメンバーのモチベーション向上
・達成感や自己効力感(セルフエフィカシー)が得やすい 等
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
BtoB企業における顧客満足度を調べる方法の事例紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効果測定の指標の1つに<顧客満足度>があります。
特に、ISO9001においては、規格にて顧客満足度を把握することを求めています。
=====
9.1.2 顧客満足
組織は,顧客のニーズ及び期待が満たされている程度について,
顧客がどのように受け止めているかを監視しなければならない。
組織は,この情報の入手,監視及びレビューの方法を決定しなければならない。
注記 顧客の受け止め方の監視には,例えば,顧客満足度調査,
提供した製品及びサービスに関する顧客からのフィードバック,顧客との会合,
市場シェアの分析,顧客からの賛辞,補償請求及びディーラ報告が含まれ得る。
======
BtoC企業であれば、顧客の満足度に関してアンケートやフィードバックは得やすいと思います。
一方、部品メーカーなどの立場にあるBtoB企業の場合、納品先の顧客に対してアンケートを依頼することは
「少し難しい」と感じる場合が多いのではないでしょうか?
そこでBtoB企業における事例をいくつかご紹介致します。
・連絡会などの会合を設ける
取引量が多い顧客の場合、連絡会を設けている企業様も多いようです。
会合の場で満足度の確認やフィードバックをいただいたり、顧客満足以外にも、
新たな「顧客ニーズ」を把握する場としても活用できます。
・納品書などにミニアンケートをつける
ある企業では、顧客満足度を把握するために、まずは、A4一枚ほどのアンケートを求めることにしたそうです。
しかし、情報量が多いためか、回答率は低かったそうです。
そこで、試行錯誤の末、ミニアンケートとして、情報量を絞り、
◎~△とコメントを一言といった簡易的な回答形式に変更。
更に、納品書の一部にミニアンケートを書いてもらえるよう工夫したところ、
回答率が飛躍的に高まったそうです。
『ミニ』というタイトルも、「アンケート=面倒なもの」という心理的な抵抗感を和らげ、
アンケートの回収率を上げる効果もありそうです。
※回収率を高めるアンケートの作り方の例
例1) 設問数を少なくする:
もしあなたがアンケートに答えるなら、設問が数十個あるアンケートより、
数個で済むアンケートのほうが答えやすいのではないでしょうか。
設問が多いと面倒になったり、時間がもったいない、後回しにしようという感情が芽生えるため
回答者数が減少する傾向になるようです。
例2) 選択肢を少なくする:
「はい・いいえ」の2択は答えやすいですが、選択肢を減らしすぎると、
回答結果が恣意的な誘導を促すことになりかねないため、配慮が必要です。
◎、〇、△ の3択等とし、判断基準を書いておくことでも回答しやすくなるようです。
例3) 回答形式を工夫する:
単一回答や複数回答は心理的なハードルが低く、回答しやすいため、回答率の上昇が見込めます。
一方、自由回答は、顧客のリアルな声を得ることができます。
自由回答欄も最低1つはあると「新しい気づき」を得ることができます。
回答形式のバランスを工夫することでアンケートの回収率が変わるようです。
例4) インセンティブを用意する:
アンケート回答者に対するプレゼントのことです。景品やギフトカードやノベルティなど
多種多様なインセンティブが考えられます。ただし、インセンティブを抽選制などにすると、
「評価を落とすアンケート回答をしにくい」という回答心理が働き、回答の質が落ちる傾向もあります。
費用対効果や公平性などの観点からインセンティブの使い方には注意が必要です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
顧客満足以外の効果測定の指標の例
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・KGI(Key Goal Indicator=重要目標達成指標):
企業が目指すべき目標でありゴールです。
このKGIを達成するために必要な中間指標として組織は独自のKPI(Key Performance Indicator=重要目標評価指標)
を設定し、進捗度を確認しながら取組みの内容を決定し、日々の業務とし実行することになります。
【KGIの設定例】
・半年以内に月間売上高1000万円を目指す
(KGI:月間売上高、数値目標:1000万円、設定期間:半年)
・3年後の年商を1億円以上にする
(KGI:年商、数値目標:1億円、設定期間:3年)
・1年以内に新規顧客を毎月10件獲得できる営業マンを目指す
(KGI:新規顧客獲得数、数値目標:10件、設定期間:1年)
・既存顧客の年間売上金額を1.5倍にする
(KGI:既存顧客売上高、数値目標:前年比1.5倍の金額、設定期間:1年)
【KPIの設定例】
・見積もりからの成約率80%を目指す
・1週間で15件以上の新規訪問を行う
・客単価を2000円以上にする
・店舗での月間売上高を700万円以上、通販での月間売上高を300万円以上にする
・既存顧客からのクレーム率を〇%減らす
・既存顧客の満足度を〇%高める
KPIを達成することでKGIの達成に繋がっているという関連性が非常に重要になります。
【製造業に関連するKPI設定例】
製造業に関連するKPIには以下のようなものがあります。
・製造コスト(製造原価)
・在庫保有期間
・在庫数
・原価率
・生産効率
・事故発生率
・製造原価率
・多能工比率 等
【カスタマーサポートに関連するKPI設定例】
カスタマーサポート(お客様窓口)に関連するKPIには以下のようなものがあります。
・サポート満足度
・取扱商品、サービスの市場認知度
・問い合わせ件数
・クレーム件数
・解約件数
・クレーム率
・解約率(離脱率) 等
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効果測定における効果を高めるコツ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
KPI設定の際によく使われる言葉に『SMART』があります。
・Specific(明確性): 明確で全員に理解できる表現や言葉が用いられているか
・Measurable(計量性): 測定可能な目標になっているか
・Achievable(現実性):自社の経営資源や人材スキルについて正確に把握したうえで、
達成可能な範囲で目標設定されているか
例) 箱根駅伝を連覇させたことでも知られる青山学院大学陸上競技部の原監督は選手に、
「半歩前の目標設定をさせる」と言います。
この現実性は組織によって異なりますが、青山学院大学の場合、
“一歩前”ではなく、少し手前の”半歩前”という目標設定がポイントの様です。
・Result-oriented or Relevant(結果思考または関連性):
KPI同士の関連性が考慮され全てのKPIがKGIの達成に繋がっているか
・Timely or Time-related(適時性):期限が設定されているか
例)マネジメントレビューなどの議事録に社長からの指示内容を記載する場合、
その指示に対して、<どの部署>が<いつまでに>対応すべきなのか
<直接の担当者><責任者>等を記載することで適時性が生まれます。
このSMARTの要素に加えて、結果指標ではなく「先行指標に目を向ける」ことで、
指標は更に、目標達成に役立つものとなるかもしれません。
以上、簡単に効果の測定について概観しました。
もっとこういった項目について詳しく知りたいといったご要望がありましたら、是非お知らせください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
弊社セミナーも幅広い内容で実施しています
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■下記よりアクセスください■
https://ba.intertek-jpn.com/study/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 弊社お客様のISOマネジメントシステム活用事例をご紹介しています
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
弊社お客様のISO活用事例をFacebookにてご紹介しています。
<お客様事例等は以下にアクセスください>
リンクアドレス:https://www.fb.com/IntertekCertification
*掲載内容は発行当時の内容をそのまま掲載しております。
その後の改訂・変更等により、現状とは異なる場合やURLのリンク切れなどがあります。
予めご了承ください。
*こちらに掲載された記事全文/一部を許可なく転載することを禁じます。
発行:インターテック・サーティフィケーション株式会社