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ISO認証機関のインターテックから厳選されたお役立ち情報をお届けします

2018.10.18発行(第29号)

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いつも大変お世話になっております。
今号では、以下の情報をお届けします。

【お知らせ】
ISO45001:2018 への移行審査について

【紹介】
環境法規制の改正動向トピックス -第2回 RoHS指令ー

【法令クイズ】
RoHS指令関連

【紹介】
中小企業の生産性革命の実現のための設備投資支援策

 

本メールマガジンにてご紹介している事例や考え方等は、
あくまでも一般的な考え方や事例の1つとしてご紹介しているものであり、
審査での適合性の保証や同様の取組みの導入を推奨、強制するものではありません。

 

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【お知らせ】
ISO45001:2018 への移行審査について

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2018年3月12日に”労働安全衛生”に関する初のISO規格として『ISO45001:2018』 が発行されました。
最近公開された「平成31・32年度の鹿児島県建設工事入札参加資格」において、
OHSAS18001/ISO45001は20点の加点対象となっていたことからも
ISO45001への注目は高まっているようです。

OHSAS18001 はISO45001の発行後3年で失効してしまいますので、
OHSAS18001 の認証を取得されているお客様はそれまでに、ISO45001:2018 へ
移行していただく必要があります。

お客様に移行手続きをスムーズに進めていただけるよう、
移行審査に関する特設ページを開設いたしましたので、
お手続きの詳細等も含め特設ページをご参照ください。

<ISO45001:2018 移行審査 に関する特設ページ>
リンクアドレス:https://ba.intertek-jpn.com/shift-iso45001/

 

移行に関するご質問、ご不明な点等ございましたら、
東京事務所 認証部(Tel:03-3669-7408)・ 営業部(Tel:03-3669-7435)まで
お気軽にお問い合わせください。

 

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【紹介】
環境法規制の改正動向トピックス -第2回 RoHS指令ー

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ISO14001の審査の場では、法令規制が順守されているかといった”事実関係の確認”に加えて、
法令規制の順守のための「しくみ(プロセス)」についても確認させていただいています。

今号(29号)では、前号(28号)に引き続き、この「しくみ(プロセス)」作り・見直しの
キッカケとなるように、2015年6月に改正がありました環境法規制の一つ、
「RoHS指令」をご紹介します。

 

(1) RoHS指令の基礎知識
RoHS指令・・・RoHS指令は、”電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する
2011年6月8日付け欧州議会・理事会指令2011/65 /EU
(Directive on the Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical Equipment)”
のことです。一般的には、Restriction of Hazardous Substances(有害物質使用制限)の頭文字から、
RoHS指令と呼ばれることが多いようです。

制定の目的は、RoHS指令と同時に施行されたWEEE指令(*注1)による廃電気・電子機器の
リサイクルを容易にするため、また、最終的に埋立てや焼却処分されるときに、
<ヒト>と<環境>に影響を与えないように電気・電子機器に有害物質を含有させないこと等を
目的として制定されました。

RoHS指令は、EU域内の電気・電子機器(EEE)(*注2)の製造者、輸入者および流通業者などに適用され、
EU市場に上市(*注3)しない電気・電子機器にはRoHS指令は適用されません。

(*注1) WEEE指令とは:電気・電子機器の再使用、構成部品などの再生、リサイクルを推進する等の目的で、
最終処分量を減らすことを目標に制定されました。

(*注2) 電気・電子機器(EEE)とは:RoHS指令において、AC1,000V、DC1,500Vを超えない定格電圧を持ち、
少なくとも1つの意図する機能に電流/電磁場を必要とする全ての電気電子機器のこと。
– 適用範囲外製品: 軍用、宇宙用、本指令対象外製品専用の機器、据付型大型産業用工具(LSSIT)、
大規模固定式設備(LSFI)、能動型埋め込み医療機器、光起電性パネル…等

(*注3) 上市とは:上市は「市場で利用可能となる日」とされています。
具体的には製品を輸入者に引き渡す通関日ではなく、
輸入者から卸売業者や消費者などに引き渡される時点となります。
その時点で最新の指令などに適合していることが必要です。

 

RoHS指令に基いて生産者がやるべきことの例
例えば以下1.~4.などの対応が必要です。

1. RoHS指令への”適合性評価”を実施して適合宣⾔をし、製品を上市する前に「CEマーク」を貼り付ける。
適合の根拠を明⽰する技術⽂書を作成し、適合宣⾔書とともに10年間保管する。

2. 適合の維持を管理し、設計変更や整合規格などの変更では適切に対応する。

3. 製造番号など製品識別に必要な情報、および製造者の名前、登録商標、住所、および連絡先を
製品または包装や添付⽂書に表⽰する。

4. 上市後に不適合があれば製品をリコールし、EU加盟国の所轄当局に直ちに通知する。

EUに上市していなくてもRoHS指令への対応が必要となる場合
国内にのみ販売する製品であっても、間接的に輸出される場合や納入先顧客の独自の要求事項として
取引契約や調達基準によりRoHS指令対応を要求している場合があります。
その為、取引先とのコミュニケーション・情報交換が重要です。

日本国内でも注意が必要
日本では「資源有効利用促進法」に基づいて、パーソナル・コンピュータ、エアコン、テレビ、
電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機、衣類乾燥機を対象に、部品等に含有する特定有害物質(RoHS指令と同じ6物質)の
種類および含有率に関する情報の提供(JIS C 0950による)を最終製品に行う”含有表示の義務”があります。

 

<参考:一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) 環境部会>
リンクアドレス:https://home.jeita.or.jp/eps/epsJmoss.html

 

(2) 改正概要
改正RoHS指令の対象禁止物質及び規制濃度

2015年6月これまでRoHS指令で規定していた禁止6物質に加え、新たに4物質が追加され、
以下の通り、合計で10物質が禁止物質となりました。
追加された 4 物質の中には日本国内において一般的に使用されている物質が含まれていますので注意が必要です。

 

 

今回追加となった 4 物質を含め合計 10 物質の規制が開始となる時期は以下の表の通りです。

 

 

<出典:一般社団法人 化学研究評価機構>

<参考:インターテック ジャパン(Intertekグループの会社の一つ)のRoHS指令に関する資料>
リンクアドレス:http://ew.intertek-jpn.com/wp/wp-content/themes/itjpn/file/201502_IntertekAnnouncement_RoHS_REACH_letter.pdf

 

改正RoHS指令に伴う産業界の懸念
改正に伴い、新たに禁止となった”フタル酸エステル4物質”は、ケーブル素材を柔らかくする材料として
パソコンやテレビのACアダプター、製品内部の電気ケーブル等に多く使用されています。
その為、一部の関係者の間では、今回の改正に伴う影響の大きさを「ハンダの鉛フリー化くらいの衝撃」と
言われることもあるようです。

 

(3) 改正に伴う注意点
「サイレントチェンジ」

発注元の企業に知らせずに、コスト削減等の理由により、部品の素材等の仕様が変更され、
納品されてしまうという事象が「サイレントチェンジ」です。
経済産業省もHP等を通して、サイレントチェンジに注意を呼びかけています。
完成品メーカーは、知らずに規制物質が混入していた場合でも、法令違反に問われる可能性が高いです。
各ISO規格の「6.1 リスク及び機会への取組み」、
ISO9001:2015「8.4 外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理」
ISO14001:2015「9.1.2順守評価」などに関連して、
自社にはどのような取り組みが必要・有効かを考えることが大切になってきます。

 

<出典:経済産業省/サイレントチェンジに注意>
リンクアドレス:http://www.meti.go.jp/product_safety/producer/point/silent_change.html

 

(4) まとめ
これからの化学物質管理にISO規格に基づく活動を活用する

 

以上、簡単ですが、RoHS指令に関して概観致しました。
これからの化学物質管理とうまく付き合うための「しくみ(プロセス)」作りのヒントになれば、幸甚です。

弊社インターテックグループでは、CEマーキングの取得や輸出等に必要な評価試験 等、
皆様のビジネスの国際化を支援するサービスを多数ご用意しております。
何か、お困りごとがございましたら、是非、弊社営業担当者までご相談ください。

 

化学物質管理に関する資料の一例
<参考:JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)
『製品含有化学物質管理ガイドライン 第4.0版』
『製品含有化学物質管理チェックシート第4.01版』>

 

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【法令クイズ】
RoHS指令関連

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【クイズ問題】
現在、あなたの会社では、RoHS適合製品(6物質)をEU市場に商社経由で販売しています。
2019年7月22日以降はこの製品は市場への投入はできなくなるのでしょうか。
尚、あなたの会社の製品は、カテゴリー8(医療機器)およびカテゴリー9(監視制御機器)に該当せず、
新たに追加になった4種類のフタル酸エステルが含まれています。

 

 A 販売可能 B:販売不可能

 

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【紹介】
中小企業の生産性革命の実現のための設備投資支援策

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近年、IoTやビッグデータ、人工知能など、ICT分野における急速な技術革新の進展により、
産業構造や国際的な競争条件が著しく変化しています。
こうした変化に対応し、世界に先駆けて「生産性革命」を実現させるべく、
日本政府は、昨年12月に「新しい経済政策パッケージ」を取りまとめました。

この取りまとめの中で、2020年までを<生産性革命・集中投資期間>とし、本年6月に施行された
「生産性向上特別措置法」に基づく、中小企業の設備投資の支援の詳細が公表されました。

認定を受けた中小企業の設備投資に対して、市区町村の判断により、
新規取得設備の固定資産税が最大3年間ゼロ(*注1)になるそうです。
詳細は以下よりご覧いただけます。

*注1:課税標準を市区町村の条例で定める割合(ゼロ~1/2)を乗じて得た額とする

 

<出典:中小企業庁「生産性向上特別措置法による支援」>
リンクアドレス:http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/seisansei/

<参考:中小企業庁資料:「生産性向上特別措置法の法律概要」>
リンクアドレス:http://www.meti.go.jp/press/2018/06/20180606001/20180606001-3.pdf

 

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【法令クイズ】
解答

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【クイズ問題】
現在、あなたの会社では、RoHS適合製品(6物質)をEU市場に商社経由で販売しています。
2019年7月22日以降はこの製品は市場への投入はできなくなるのでしょうか。
尚、あなたの会社の製品は、カテゴリー8(医療機器)およびカテゴリー9(監視制御機器)に該当せず、
新たに追加になった4種類のフタル酸エステルが含まれています。

 A 販売可能 B:販売不可能

 

【解答】:B:販売不可能

製品がカテゴリー8、9に属するものではなく、上記の4種類のフタル酸エステルの非含有が確認されていなければ、
2019年7月22日以降の上市は指令違反となる可能性が高いです。

<出典:中小企業ビジネス支援サイト J-Net21「ここが知りたいRoHS指令」>

 

 

 

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