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ISO認証機関のインターテックから厳選されたお役立ち情報をお届けします

2018.12.21発行(第31号)

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2018年も残すところあとわずかとなりました。
本年は格別のご愛顧を賜り、誠に有難く厚く御礼申し上げます。
来年も、より一層のご支援を賜りますよう、
従業員一同心よりお願い申し上げます。

今号では、以下の情報をお届けします。

【事例紹介】
労働災害予防の為の取組み・改善事例介

【お知らせ】
「ISO27017 ISMSクラウドセキュリティ認証」開始いたしました

【お知らせ】
メールマガジン配信頻度変更

 

本メールマガジンにてご紹介している事例や考え方等は、
あくまでも一般的な考え方や事例の1つとしてご紹介しているものであり、
審査での適合性の保証や同様の取組みの導入を推奨、強制するものではありません。

 

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【事例紹介】
労働災害予防の為の取組み・改善事例

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日本における労働安全に関する活動は100年以上の歴史があります。
1912年、アメリカの産業界で提唱されていた「セーフティ・ファースト」の運動に
感銘を受けた古河鉱業足尾鉱業所所長の小田川全之氏が、
「安全専一」と名付けた標示板を坑内外に掲示する等、同鉱業所をあげた安全活動が
日本における自主的な労働安全衛生運動のはじまりと考えられています。

長い歴史の中で様々な工夫がされてきましたが、
『平成29年における労働災害発生状況』調査(厚生労働省調べ)では、
死亡者数978人(前年比+5.4%増加)、休業4日以上の死傷者数120,460人(前年比+2.2%増加)と
増加傾向にあります。

 

 

従業員にとって安全で安心な職場をつくることは、
製品・サービスの質や生産性の向上に繋がります。
一方、労働災害の原因を放置することで、安全で安心な作業が確立されず、
作業効率の低下や他の作業者へのしわ寄せなどの負担がかかってしまう等の問題が発生することが考えられます。

ISO9001:2015においても、
「7.1.4プロセスの運用に関する環境」において以下の様に規定されています。

7.1.4 プロセスの運用に関する環境

組織は、プロセスの運用に必要な環境、並びに製品及びサービスの適合を達成するために
必要な環境を明確にし、提供し、維持しなければならない。

注記 適切な環境は、次のような人的及び物理的要因の組合せであり得る。
a)社会的要因(例えば、非差別的、平穏、非対立的)
b)心理的要因(例えば、ストレス軽減、燃え尽き症候群防止、心のケア)
c)物理的要因(例えば、気温、熱、湿度、光、気流、衛生状態、騒音)
これらの要因は、提供する製品及びサービスによって、大いに異なり得る。

また、ISO規格として初の労働安全衛生マネジメントシステムであるISO45001:2018が
2018年3月12日に発行されるなど、労働安全に関する重要性が認識され、
その対策についても多くの関心が寄せられています。

そこで、今号(31号)では、高齢化問題等、ますます複雑化する事業環境に対して
どのような労働安全衛生の取組みを実施すれば良いのか?
を考える際のヒントになるような事例をご紹介します。

尚、安全で安心な職場をつくるための方法や考え方は非常に多くあります。
その全てはご紹介できませんので、発生事例が多く汎用的な対策と考えられるものの
ほんの一部をご紹介しております。ご承知おきください。

 

<出典:中央労働災害防止協会>
リンクアドレス:https://www.jisha.or.jp/anzen100th/nenpyou01.html

<出典:厚生労働省『労働災害発生状況』調査 平成29年>
リンクアドレス:https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html

 

[労働災害予防の為の取組み事例 その1]

 

 

上の写真をご覧ください。
この職場を労働安全衛生の観点から改善するとしたらどのような対策が考えられるでしょうか?
様々な答えがあると思いますが、実際に以下の様な取組みがなされました。

 

【対策案の例】
通路両サイドに白線を引きマーキングをした。
同時に製品も整理・整頓し歩行用通路を確保した。

 

 

【対策後の考えられる効果】
この対策により、つまづきや転倒による災害を防ぐことができた。

シンプルな対策例ですが<転倒>は、発生率が高い事故の1つです。
2S・5Sが大事だということは皆さんよくご存じだと思いますが、
労働安全衛生の観点からも2S・5Sの必要性・有用性を改めて理解できます。

 

 

[労働災害予防の為の取組み事例 その2:高年齢の労働者の労働災害予防対策]

食品を製造・販売するA社では、50 歳以上の従業員の割合は 62%と大きい。
A社グループ全体では、<転倒>による重大災害が増加している。
特に、40 歳代以降の転倒災害は、骨折を伴って重篤化する傾向にあったことから、
高年齢の労働者の労働災害防止に本格的に取り組んだ。

①発生源対策(床面の水)
冷凍商品を取り扱うため、床に霜が付着することがあった。
転倒の原因となる為、霜が床に付着しないように氷を溶かす装置を工場内に取り付け、
また段差・階段に「段差注意」などの注意喚起を促す表示を行う等の改善を実施。

②保護具見直し(耐滑床・耐滑靴)
滑りにくい靴底の靴を活用するとともに、床も滑りにくくした。

③労働者の運動機能低下予防
滑りやすい粉をまいたところでの「滑り体感教育」や
「身体機能低下のセルフチェック」を導入。

 

 

[労働災害予防の為の取組み事例 その3]

上半身をひねる組立作業があり、当該作業に伴うミスもいくつか報告されています。
この職場を労働安全衛生の観点から改善するとしたらどのような対策が考えられるでしょうか?

【対策案の例】
よくある労働災害の原因の一つに<急な動き・無理な動作>があります。
この<急な動き・無理な動作>に注目し対策を行った
電気機械器具製造を行うB社での取組み内容をご紹介します。

ある組立工程では、機械を操作するリミットスイッチが奥にあった為、
上半身のひねりが生じていた。そこで、機械にフットスイッチを新たに設置した。

【対策後の効果】
以前は片手が塞がっていたが、両手が使えるようになり、作業がスムーズになった。
尚、同社では、《9つの姿勢(*注1)》に注目し、人間工学の観点から作業改善を行っている。

(*注1)9つの姿勢:背中を極端に曲げる作業、長時間背中を曲げる作業、
上半身の回転やねじり作業、首を伸ばし過ぎる作業、背もたれを使わない作業、
強力なつまみ作業、無理な握り作業、極度な手首の角度を要求する作業、
肘が心臓の位置より上にくる作業

近年、産業界では高齢化が進んでおり、約3割が55歳以上といわれています。
<急な動き・無理な動作>は労働災害の原因の一つです。
その為、「人間が作業に合わせる」のではなく、「作業を人間に合わせる」という
人間工学の考え方は、今後より一層重要になっていくのではないでしょうか。

 

[労働災害予防の為の取組み事例 その4:急な動き・無理な動作の労働災害予防対策]

業務用エアコンを製造するC社では、大きく重い製品を取り扱っていることから、
”作業負荷の軽減”を課題として対策を進めた。

発生源対策(作業装置等の改造)
・前かがみになり、製品中央部へは腕を伸ばし、背伸びをして作業を行っていた為、
作業台を傾けることができるように改善。これにより、製品中央部まで、
楽に手が届き、ムリな姿勢で作業をすることがなくなった。

・作業者の身長の違いや製品の大きさの違いによって、腰を曲げたり、背伸びをするといった
ムリな姿勢での作業が発生していた為、作業台がフットスイッチで上下するように改造。
どの作業者であっても適正な姿勢で作業ができるようになった。

 

 

以上、簡単に労働安全衛⽣の取組み事例をいくつかご紹介致しました。
何かのお役に立てば幸いです。

本年もご愛読有難うございました。

 

<出典:厚生労働省「高年齢労働者の活躍促進のための安全衛生対策-先進企業の取組事例集-」>
リンクアドレス:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000156041.html
<出典:ものづくり産業労働組合JAM「2012職場改善事例」>
リンクアドレス:http://www.jam-union.or.jp/jamold/katudo/anzen/2012/2012kaizen-jirei.html

 

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