ISO研修とは?種類や費用、失敗しない選び方を初心者向けに徹底解説!
2025/10/02研修/セミナー
企業のコンプライアンス強化や品質向上が求められる現代において、ISO認証の重要性はますます高まっています。「上司からISO担当者に任命された」「内部監査員を任された」など、これからISOについて学ぶ必要のある方も多いのではないでしょうか。しかし、専門用語も多く、何から手をつければ良いか分からないと感じるかもしれません。
この記事では、「ISO研修とは何か?」という基本的な問いに答え、研修の種類や目的、費用、そして自社に最適な研修を選ぶためのポイントについて、初心者の方にも分かりやすく解説します。
インターテック・サーティフィケーションでは、各種ISO規格に対応した専門研修を多数開催しています。経験豊富な講師陣による質の高い研修プログラムで、ISO研修の基礎から応用まで体系的に学習できます。オンデマンド研修や講師派遣型研修も選択可能で、企業のニーズに合わせた柔軟な受講形態をご提供しております。まずは年間スケジュールをご確認ください。
ISO研修とは?
ISO研修とは、国際標準化機構(ISO)が定めた様々な規格(マネジメントシステム)に関する知識やスキルを習得するための教育プログラムです。企業がISO認証を取得・維持するためには、規格で要求される事項を正しく理解し、組織内で実践する必要があります。そのための人材を育成することを目的としているのが ISO研修です。
企業の価値を高めるISOの基本
ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関「International Organization for Standardization(国際標準化機構)」の略称です。ISOは、製品やサービスが世界中で同じ品質、同じレベルで提供されるようにするための国際的な「ものさし」となる基準(規格)を策定しています。
代表的なものに、品質管理の仕組みを定めた「ISO 9001」や、環境保護の取り組みを定めた「ISO 14001」などがあります。企業がこれらの規格に基づいた仕組み(マネジメントシステム)を構築し、第三者機関の審査によって認証されると、顧客や取引先からの信頼性が向上し、企業価値の向上につながります。
【参考】 ISO - 国際標準化機構
ISO研修を受講する目的
ISO研修を受講する主な目的は、ISO規格の要求事項を正確に理解し、自社のマネジメントシステムを効果的に運用・改善できるようになることです。特に、組織の仕組みが適切かつ有効に運用されているかを確認する「内部監査」を行う人材の育成は、多くの企業にとって重要な課題です。研修を通じて、規格の知識だけでなく、監査の技術や考え方といった実践的なスキルを身につけることが、研修の大きな目的となります。
目的 | 内容 |
---|---|
規格理解度向上 | ISO規格の「要求事項」を正しく理解し、自分の業務にどう関係するかを学ぶ。 |
内部監査体制の整備 | 組織内で監査を実施できる人材を育成し、定期的にマネジメントシステムをチェックできる体制をつくる。 |
認証取得・維持審査の対応力強化 | 外部審査(認証機関による審査)に備えて、社員が質問に答えられるように準備する。 |
業務改善やリスク低減の実践力向上 | ISO規格を「形だけの認証」ではなく、実際の業務改善ツールとして活用する。 |
ISO研修の主な4つの種類
ISO研修は、その目的や対象者に応じて、大きく4つの種類に分けられます。それぞれの研修内容を理解し、自分の目的に合ったものを選びましょう。

ISOの基礎を学ぶための研修
ISO規格の全体像や基本要求事項を学びます。ISO認証取得組織の新入社員や、マネジメントシステムに初めて関わる方を対象としており、規格の背景や各要求事項の意味、業務への適用方法などを理解することができます。座学中心の研修ですが、規格理解の土台をしっかり固めることができます。
内部監査員になるための研修
ISOのマネジメントシステムを維持・改善していく上で、非常に重要な役割を担うのが「内部監査員」です。この研修では、自社のルールがISO規格に適合し、かつ有効に機能しているかを確認(監査)するための知識とスキルを習得します。監査の計画立案、チェックリストの作成、監査の実施、報告書の作成といった一連の流れを、演習を交えながら実践的に学びます。
審査員を目指すための研修
国際的に通用する監査員資格の取得を目指す方を対象にしています。規格要求事項を深く理解し、審査計画の策定や審査技法、認証審査シナリオ演習などを通して、外部審査も担当できるレベルまでスキルを習得します。資格取得を目的とした研修であり、国際的な監査スキルを身につけることができます。
実務スキル向上のための研修
既存の内部監査員や主任監査員を対象とし、改訂規格への対応力強化や実務スキルの向上を目的としています。最新事例に基づく演習や課題解決の方法、審査報告書作成の効率化などを学び、規格改訂や実務改善に即活用できる内容となっています。
ISO研修の対象者は
ISO研修は、特定の役職者だけが受けるものではありません。企業の状況や個人のキャリアプランに応じて、様々な立場の人が対象となります。
ISO担当部門に配属された人
品質管理部や環境管理部、情報システム部など、企業のISOマネジメントシステムの中核を担う部門に配属された方は、まずISOの基礎知識を身につける必要があります。規格要求事項解説セミナーや入門コースを受講することで、自社の活動とISO規格の関連性を理解し、スムーズに業務に入ることができます。
企業の内部監査員候補者
前述の通り、内部監査はISO運用において不可欠な活動です。そのため、各部署から内部監査員の候補者を選出し、専門の研修を受けさせることが一般的です。内部監査員研修を受けることで、客観的な視点で自部門や他部門の業務プロセスを評価し、改善点を指摘する能力を養います。
ISO認証の取得を目指す企業の従業員
これから新たにISO認証を取得しようとする企業では、全社的な取り組みが求められます。経営層から一般の従業員まで、それぞれの立場でISOの目的やメリットを理解することが、認証取得を成功させる鍵となります。従業員向けのISO入門セミナーなどを実施することで、全社的な意識向上を図ることができます。
ISO認証の取得を目指す企業の管理職・責任者
マネジメントシステムを有効に機能させるためには、経営層や部門責任者の理解とリーダーシップが欠かせません。ISO研修を通じて、組織全体の方向性とISOの要求事項をどう結びつけるかを学ぶことで、実効性のある運用につながります。
ISO研修の受講形式
ISO研修には、主に「オンライン研修」「集合研修」「講師派遣型研修」の3つの形式があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の状況に合った受講形式を選びましょう。

自分のペースで学べるオンライン研修
オンデマンド研修やオンラインセミナー形式で、時間や場所を選ばずに受講できるのがオンライン研修の最大のメリットです。移動時間やコストを削減できるほか、繰り返し視聴して復習できる点も魅力です。近年では、オンラインで完結する研修が増加しています。
直接質問ができる集合研修
研修機関が設定した会場に足を運び、他の企業の受講者と一緒に学ぶ形式です。最大のメリットは、講師にその場で直接質問できる点や、他の受講者とのディスカッションを通じて多様な視点を得られる点です。緊張感のある環境で集中して学習したい方に向いています。
企業に合わせた内容で実施する講師派遣型研修
研修機関から講師を自社に招き、研修を実施する形式です。自社の業務内容や課題に合わせたカスタマイズ研修を依頼できるため、より実践的な学びを得ることができます。複数の社員が同時に受講する場合、一人あたりのコストを抑えられるメリットもあります。
インターテック・サーティフィケーションでは、各種ISO規格に対応した専門研修を多数開催しています。経験豊富な講師陣による質の高い研修プログラムで、ISO研修の基礎から応用まで体系的に学習できます。オンデマンド研修や講師派遣型研修も選択可能で、企業のニーズに合わせた柔軟な受講形態をご提供しております。まずは年間スケジュールをご確認ください。
失敗しないISO研修の選び方
数多くの研修機関の中から、自社にとって本当に価値のある研修を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

選び方1:研修の目的を明確にする
まず最も重要なのは、「何のために研修を受けるのか」を明確にすることです。「ISOの基礎知識を身につけたい」「実践的な内部監査スキルを習得したい」「形骸化したISO活動を活性化させたい」など、目的によって選ぶべき研修は異なります。目的を明確にすることで、研修内容とのミスマッチを防ぐことができます。
選び方2:講師の実績や専門性を確認する
研修の質は、講師の力量に大きく左右されます。ISO審査員としての経験が豊富か、コンサルティングの実績は十分かなど、講師の経歴や専門性を事前に確認しましょう。研修機関のウェブサイトで講師のプロフィールを確認したり、口コミや評判を調べたりするのも有効です。研修実績が豊富な機関は、信頼性が高いと言えます。
選び方3:研修後のアフターフォローを確認する
研修は受講して終わりではありません。研修で学んだ知識を実務で活かしていく中で、新たな疑問点が出てくることもあります。研修後に質問を受け付けてくれるか、アフターフォロー体制が充実している研修機関を選ぶと、より安心して受講することができます。
【関連記事】 ISO審査・認証・検証、認証規格一覧、審査方法について
ISO研修を受ける3つのメリット
ISO研修への投資は、企業と従業員の双方に多くのメリットをもたらします。
メリット1:ISOの専門知識が体系的に身につく
独学でISO規格を理解しようとすると、専門用語の多さや解釈の難しさから、時間がかかったり、誤った理解をしてしまったりする可能性があります。研修に参加することで、経験豊富な講師から要点を押さえた解説を聞くことができ、短時間で効率的かつ体系的に専門知識を身につけることができます。
メリット2:社内のマネジメントシステム運用が活性化する
研修を受けた従業員が内部監査員などとして活躍することで、社内のISO活動が活性化します。監査を通じて業務プロセスの問題点や改善点が明らかになり、組織全体の品質向上や業務効率化につながります。また、従業員のISOへの理解が深まることで、やらされ感なく、主体的に活動に取り組む風土が醸成されます。
メリット3:個人のキャリアアップにつながる
ISOマネジメントシステムに関する知識や内部監査員の経験は、業種や職種を問わず評価されるポータブルスキルです。特に、品質管理、環境管理、情報セキュリティなどの分野では、専門知識を持つ人材の需要は高く、自身の市場価値を高めることにつながります。審査員などの資格を取得すれば、専門家として独立する道も開けます。
まとめ
本記事では、ISO研修の基本的な知識から、種類、選び方、メリットに至るまでを網羅的に解説しました。ISO研修は、企業の継続的な成長と従業員のスキルアップに不可欠な投資です。この記事を参考に、自社の目的や課題に最適な研修を見つけ、ISO活動の第一歩を踏み出してください。
インターテック・サーティフィケーションでは、各種ISO規格に対応した専門研修を多数開催しています。経験豊富な講師陣による質の高い研修プログラムで、ISO研修の基礎から応用まで体系的に学習できます。オンデマンド研修や講師派遣型研修も選択可能で、企業のニーズに合わせた柔軟な受講形態をご提供しております。まずは年間スケジュールをご確認ください。
詳細は、 ISO研修・セミナー一覧ページ をご参照ください。
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