ISCC認証を取得している企業一覧を知りたい!確認方法から企業例と取得方法まで紹介!

2025/11/28サステナビリティ

企業のサステナビリティへの取り組みが重要視される中、「ISCC認証」という言葉を耳にする機会が増えています。これは、サプライチェーン全体で持続可能性を証明する国際的な認証制度です。本記事では、ISCC認証の基本情報から、認証を取得している日本企業の例や一覧の確認方法、取得のメリットやプロセスに至るまで、網羅的に解説します。この記事を読んで、ISCC認証の全体像を理解し、自社の取り組みを検討する第一歩を踏み出しましょう。
【関連記事】ISCC認証とは?取得のメリットや種類、プロセスをわかりやすく解説!
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【業界別】ISCC認証を取得している日本企業一覧


日本でも、化学業界を中心にISCC PLUS認証の取得が急速に拡大しています。ただし、認証は事業所単位で取得するため、企業の全ての製品が対象となるわけではない点に注意が必要です。
ここでは取得企業例と一覧で確認する方法を紹介します。


ISCC認証の公式データベースで一覧は確認できる

ISCC公式サイトの認証データベースが、最も正確に認証を取得している企業を一覧で確認できます。このデータベースでは、証明書所有者の地域や認証の種類別(Scope)に絞り込んで検索することが可能です。ただし、情報は英語で提供されており、認証主体は個別の事業所名で登録されている場合が多いです。取引先の具体的な認証状況を確認したい場合は、このデータベースを活用しましょう。
以下にて、業界別の主要な取得企業の一部を紹介します。
【参考】すべての証明書 - ISCCシステム


化学・素材メーカーの取得事例

化学業界では、バイオマスナフサやリサイクル原料から製造される化学品やプラスチックに対して、ISCC PLUS認証の取得が進んでいます。マスバランス方式(※)という管理手法を用いて、持続可能な特性を製品に割り当てています。
※マスバランス方式:原料(例:石油由来ナフサとバイオマスナフサ)を混合して製品を製造する際に、投入した原料の割合に応じて、生産される製品の一部にクレジットを割り当てる手法。
企業名 主な認証対象・製品(例)
三菱ケミカルグループ  バイオマス由来・リサイクル由来のMMA樹脂、ポリカーボネート樹脂など
三井化学株式会社 バイオマス由来フェノール、アセトン、ポリオレフィンなど
住友化学株式会社  バイオマス由来・リサイクル由来のポリプロピレン、ポリエチレンなど
株式会社プライムポリマー  ISCC PLUS認証を取得したポリオレフィン製品群「Prasus®」
 


石油・エネルギー業界の取得事例

石油元売会社では、製油所においてバイオマス燃料やSAF(持続可能な航空燃料)を製造する体制を整え、ISCC認証を取得する動きが活発化しています。
企業名 主な認証対象・製品(例)
出光興産株式会社 徳山事業所におけるバイオマスプラスチック原料、リサイクルプラスチック原料
コスモ石油株式会社 堺製油所における国産廃食油を原料としたSAF製造
  

その他の業界における取得事例

化学・エネルギー業界以外でも、ISCC認証を取得する企業は増えています。例えば、食品容器メーカーや商社などが、持続可能な製品のサプライチェーン構築に向けて認証を取得しています。
企業名 主な認証対象・製品(例)
双日株式会社 バイオ燃料、バイオ化学品の取り扱い
兼松ケミカル株式会社 バイオ燃料、バイオ原料の取り扱い
稲畑産業株式会社 バイオマスプラスチック、リサイクルプラスチック等の持続可能素材
NYK Trading(郵船商事) 廃食油等を原材料としたバイオ燃料
 


企業がISCC認証を取得する3つのメリット


ISCC認証の取得は、企業にとって単なるコストではなく、持続的な成長に向けた重要な投資となります。ここでは、主なメリットを3つの側面に分けて解説します。


メリット1:サプライチェーンの透明性を客観的に証明できる

ISCC認証は、原料の調達から最終製品に至るまでの全ての工程で、持続可能な管理が行われていることを第三者が証明するものです。


メリット2:環境配慮のアピールで企業価値と競争力が向上する

認証を取得し、ISCC認証マークを製品に表示することで、環境意識の高い消費者や顧客に対して、自社製品のサステナビリティを効果的にアピールできます。これにより、製品のブランドイメージが向上し、市場での競争優位性を確立することにつながります。また、ESG投資の観点からも、ISCC認証は企業の持続可能性への取り組みを示す具体的な証拠として、投資家から高く評価されます。


メリット3:新たなビジネスや海外市場への展開機会が広がる

特に欧州市場では、サステナビリティに関する要求が厳格化しており、ISCC認証が取引の前提条件となることが増えています。認証を取得することで、こうした環境規制の厳しい市場へのアクセスが可能になり、ビジネスチャンスが拡大します。また、国内においても、環境配慮型製品を求める企業との新たなパートナーシップ構築につながる可能性があります。


ISCC認証の取得プロセスと流れ


ISCC認証を取得するには、準備期間を含めて数ヶ月から1年程度かかるのが一般的です。ここでは、認証取得までの基本的なステップを解説します。


ステップ1:認証機関の選定と契約

まず、ISCCから承認を受けた、インターテックなどの第三者認証機関の中から、自社の事業内容や規模に合った機関を選定し、契約を締結します。認証機関は監査の実施だけでなく、プロセス全体に関する助言も提供してくれます。


ステップ2:管理体制の構築と文書化

ISCCの要求事項に基づき、マスバランス管理やトレーサビリティ確保のための社内管理体制を構築します。管理手順や責任者を明確にし、文書化(マニュアル作成など)する必要があります。この段階が認証取得の準備において最も重要となります。


ステップ3:第三者機関による監査の実施

認証機関の監査員が事業所を訪問し、構築した管理体制がISCCの基準通りに運用されているか、文書や記録、現場の状況を確認する「現地監査」が行われます。監査では、原料の受け入れから製品の出荷まで、マスバランスが一貫して管理されているかなどがチェックされます。


ステップ4:認証取得と年次の更新監査

監査で指摘事項がなければ、認証機関およびISCC本部によるレビューを経て、正式に認証書が発行されます。認証の有効期間は1年間であり、認証を維持するためには、毎年「更新監査」を受ける必要があります。
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ISCC認証に関するよくある質問


最後に、ISCC認証の取得を検討する際に、多くの担当者が疑問に思う点について解説します。


Q.認証取得にかかる費用はどのくらいですか?

認証取得にかかる費用は、企業の規模、事業所の数、製品の複雑さなどによって大きく変動するため、一概に示すことは困難です。主な費用としては、認証機関に支払う監査費用(審査員の工数に基づく)や、ISCCシステムへの登録料などが挙げられます。多くの場合、初年度は数十万円以上となることが見込まれます。


Q.取得までにかかる期間の目安はありますか?

準備開始から認証取得までの期間も、企業の準備状況によって大きく異なります。管理体制の構築や文書化がスムーズに進めば、最短で3~6ヶ月程度で取得できる場合もありますが、一般的には半年から一年程度を見込んでおくとよいでしょう。特に、初めて認証に取り組む場合は、社内体制の構築に時間がかかることを想定しておく必要があります。


まとめ


本記事では、ISCC認証の概要からメリット、取得企業一覧、そして取得プロセスに至るまでを包括的に解説しました。ISCC認証は、企業のサステナビリティへの取り組みを客観的に証明し、競争力を高めるための強力なツールです。サプライチェーンの透明化が求められる現代において、その重要性はますます高まっていくでしょう。
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