《お客様向け》気候変動を配慮したマネジメントシステム規格の追補について【6月3日更新】
2024/06/03OTHER
お客様各位
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
ISOマネジメントシステム規格に「気候変動への配慮」を追加する追補改正が行われましたので、以下関連情報についてお知らせいたします。
【IAFとISOによる重要な最新情報】
気候変動をマネジメントシステムに組み入れるために
IAF(国際認定フォーラム)とISOは、マネジメントシステム規格(MSS: Management System Standards)の追補について共同声明を発表しました。その内容は、マネジメントシステムの組織の状況において考慮すべき事項として、気候変動の重要性を強調する2つの新しい記述を導入することです。
2つの新しい記述
4.1 組織及びその状況の理解
追補) 組織は気候変動が関連する課題であるかどうかを決定しなければならない。(仮訳文)
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
追補) 注記:関係する利害関係者は気候変動に関連する要求事項をもつことができる。(仮訳文)
ISO 9001:2015 ISO 14001:2015 ISO 45001:2018 ISO/IEC 27001:2022 をはじめ、多くの既存のマネジメントシステム規格に追加され、2024年2月23日現在、開発及び改訂中のすべての現行及び新規のマネジメントシステム規格に含まれることになりました。すでに発行されている規格に優先的に追補されます。
この追補版発行は、気候変動を組織の状況に関連する課題の一つとして明確に考慮することを導入していただくためのものです。この改正は、環境問題への取り組みの重要性の高まりを反映し、マネジメントシステムの認証基準を世界的な持続可能性の目標と整合させるために実施されました。
なぜ今、気候変動は、重要な問題なのか?
1.環境の持続可能性:
環境の持続可能性を促進する上で、組織が果たす役割は明白です。マネジメントシステム規格に気候変動への配慮を反映することは、責任ある持続可能な業務慣行を推進するというコミットメントを強調するものとなります。この取り組みは、組織活動のあらゆるレベルの積極的な環境の持続可能性を含めることを目的としています。
2.環境上の緊急事態への適応:
気候変動を組織の重要課題として認識するには、強固な適応戦略の策定が必須となります。これらの戦略は、気候変動に起因する緊急事態を乗り越え、製品とサービスの品質を維持し、従業員の福利を守るために不可欠です。
3.法規制の遵守:
気候変動をマネジメントシステム基準に反映することは、常に改訂される環境関連法規を反映することとなります。法規制の遵守を維持し、リスクを効果的に管理するには、これらの改訂している法規制に対する認識と適合が不可欠となります。この連携は、環境保護への取り組みを強化するのみでなく、組織が将来の規制上の期待に備えることもできます。
認証組織にとって推奨される対応
1.気候変動が自社の業務やマネジメントシステムの目標を達成する能力にどのような影響を与えるかを評価する。
2.気候変動の影響に対処し、影響を軽減するために、必要に応じて社内プロセスを更新する。
3.気候変動に関する情報を定期的に監視し、そのような情報と組織の状況との関連性を評価する。
改正による運用、審査への影響
IAFとUKAS(認定機関)(=インターテックの上位機関)は、2025年の審査において、気候変動の影響がマネジメントシステム運用に関連するにもかかわらず運用していない客観的証拠が確認された場合(概要)、軽微な不適合を提起することを要求しております。
2024年内の審査では、改善の機会を提起することを要求していることから、認証組織はマネジメントシステムに取り込み運用開始することを推奨いたします。
【セミナー情報:期間限定・オンライン開催】
「気候変動をマネジメントシステムに組み入れるための導入セミナー(オンライン)」の開催が決定いたしました。
詳細は、 こちら をご覧ください。
本件に関するご質問・お問い合わせは、弊社ISO認証部までお願いいたします。
【お問い合わせ先】
ISO認証部 E-mail:cert-scheme.japan@intertek.com
以上、よろしくお願いいたします。